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【Onlooker】~サラが見たもの~
第9章 委ねられる、人生?

 すると、チハルさんは悟ったような顔で深く頷き――


「わかったよ、俊ちゃん……『チハルさん』、よーく、わかったから」


 と、噛み締めるように言った。


「チハル……さん?」


 俊太にはその感情が、まだ掴めなかったけれど。とりあえず落ち着きを取り戻した、その様子にホッとしている。

 が、そうしたのも束の間――。


「えっ……な、なに?」

「いいから」

「チハルさん、待って……」

「じっとして、動かないで」

「でも――」

「……」


 ソファーに座ったまま、チハルさんはキッと俊太を見上げ睨み付けた。その険しい表情に怯む――が。

 チハルさんはその顔で威嚇するようにして、俊太のジャージのズボンを下ろそうとしているから、そのままさせるわけにはいかない。


「ダメだよ! なんでまた、そんなことをしようとするの?」


 すると――


「じゃあ、刺して」

「え……?」


 なにを言われたのか、理解するまでに数秒の時間を要した。

 でも――俊太の手にはチハルさんから取り上げた包丁が握られていて――それを見て、気づく。


「どうしても嫌なら、その時は遠慮なく刺し殺していいわよ。でもね――その覚悟がないのなら、じっとしていて。そうすれば、この前と同じ――『チハルさん』が気持ちよくしてあげるから」


 チハルさんはそう言いながら、淡々と手を動かし、俊太のズボンとパンツをスルリと下ろした。そうして、怪しげな手つきで俊太の股間を弄び始めた。


「あっ……!」


 強烈な刺激を受け、思わず声が洩れ出す。


「ごめんね……俊ちゃん。『チハルさん』ね……誰かとの“結びつき”がないと、不安が消せなくなるの。大きくなった不安に、呑み込まれてしまうのが――怖いの」


 シュッ――シュッ――!


 小刻みに徐々に速く、チハルさんが俊太の恥ずかしい箇所を扱き上げてゆく。
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