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【Onlooker】~サラが見たもの~
第11章 オンルッカー……?
そうして、気がついた時――。
あれ……ここは?
サラは一人、暗闇の中で立ち尽くしていた。
しかし、それがどこなのかは、すぐにわかった。
そこはサラの心の奥底。閉ざされていた場所である。
それを認識した時に、サラを押しつぶさんばかりに一気になだれ込んできたもの。それは今までサラが受け止めずに、この場所に閉ざしていた想いとなる前の感情の塊であった。
その形にならない煙のようななにかが、サラが目の前で頻りにうごめいている。
だから――
今まで、ほったらかしにして……ごめん。
サラは微笑み、その塊のひとつひとつを抱きしめてゆく。
改めてそれをしっかりと見つめ、それを詳らかにして――サラは今度こそ、それらを感じていかなければならなかった。
この数か月、いくつかの場面が、サラの前に蘇っていた。