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【Onlooker】~サラが見たもの~
第11章 オンルッカー……?
押し寄せる哀しみの波に身を任せ、端からひとつひとつをしっかりと受け止め、在るがままに思い切り――幼子のように泣き続けていた。
そうして心置きなくサラが泣いて、どれくらい経った頃だろうか。
「な、なあ……」
黒木の微かな声が、サラの耳に届く。
「俊くん……どうかしたの?」
「いやっ、それが……」
黒木はさっきまでと違い、なんとも申し訳なさそうな顔を向けた。
「お前の気の済むまで、泣かせてやるとかいって……そのくせ、どうも俺の方は……もう、限界らしい」
「限界? ……あ!」
サラは言いながら、その意味に気づいた。具体的な時間の感覚はなかったが、黒木と交わってから、もうかなりの時間が経過しているはず。
「わ、悪い……こんな、情けねえ男で」
そう詫びた黒木に――
「ううん」
小さく首を振って、サラは微笑を浮かべる。
そして――
「俊くんは、ね……もう十分、支えになってくれたんだよ。だから、ありがとう」
サラは両手を伸ばし、黒木の顔を小さな胸の中に抱く。
そうして、から――
「さあ、溶けてしまうくらいに。私の真ん中で――熱く強く、弾けさせてっ!」
「ううっ――あ!」
体の芯に一層、強く衝動を押し込まれて――
奥深くに届き、厚くなったものが、サラの望みのままに激しく弾けていった――。
「ああぁ…………!」
その感覚に自らの高鳴りを溶かし合い、サラは数々の想いたちと共に、新たな階段を駆け上がって行くのである。
それは、この時も――そして、この先も。
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