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【Onlooker】~サラが見たもの~
第12章 エピローグ
「ふ、ふざけないで! あんたみたいな汚い女に誰が好き好んで――!?」
――ギラリ。
「――ちょっ……な、なんなの?」
大きく見開かれた咲花の青い右目に見据えられると、女は明らかに怯んでしまった。
その禍々しくさえある視線で女を威圧した咲花は、次に妖艶なオーラを纏い男に狙いを定め――。
「な……?」
咲花は男の右手を取ると、それを徐に自らの口元に運ぶ。そして、一本だけ立てるようにした人差し指を、舌の上でてろてろと舐り上げた。
更には――ちゅぷゥ――と淫靡に、その指を口の中にねっとりと咥え果たしてゆく。
「ううっ……」
そうする間、咲花の意味ありげな眼差しは、じっとりと男を見据えた。そのまま数秒間、それで――まるで“魅了”することが終わったかのように。
「じゃあ、こっちにおいで」
「ああ、うん……」
再び咲花が歩き出した時に、それに追従するように男が後に続いて行く。
「な……んで?」
ホステスの女はなにが起こったのかわからないといった様相で、呆然と二人の背中が遠ざかるのを黙って見つめるしかなかった――。