この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
【Onlooker】~サラが見たもの~
第12章 エピローグ
※ ※
数週間後――【Onlooker】事務所。
「あら、サナエちゃん? いいタイミングね。丁度、話したいと思ってたところよ」
デスクに腰を掛けて窓から外の景色を望みつつ、紅谷零子は着信を知らせたスマホを手に取った。
「――ふふ、相変わらず察しがいいのね。そう、お仕事多めに入れられないかしら、って相談。ううん――とりあえず、今月中だけでもお願いできたらと思って。本当――残念ながら新しい子が最後だったから。とてもいい子だけれど――まあね、ある意味では予定通りというわけよ」
どうやら話の話題は、白隅サラのことのよう。そして通話相手は、彼女の以外のオンルッカー――なのか?
「あ、それと。実は黒木君も近々――ええ、他の人を探してはいるけど――ええ、そうよ。ああ見えて彼の代わりって、なかなか難しくって――ふふふ、皆の評判は良かったようね。とがってるわりに妙に不器用なところに、萌えた? ――ま、本人は一切そんな自覚なかったでしょうけど――ふふふふ」
黒木俊太の名も出てはいるが――ともあれ二人については、ここではない別の場面で語られるべきだろう。