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【Onlooker】~サラが見たもの~
第12章 エピローグ

    ※    ※



 数週間後――【Onlooker】事務所。


「あら、サナエちゃん? いいタイミングね。丁度、話したいと思ってたところよ」


 デスクに腰を掛けて窓から外の景色を望みつつ、紅谷零子は着信を知らせたスマホを手に取った。


「――ふふ、相変わらず察しがいいのね。そう、お仕事多めに入れられないかしら、って相談。ううん――とりあえず、今月中だけでもお願いできたらと思って。本当――残念ながら新しい子が最後だったから。とてもいい子だけれど――まあね、ある意味では予定通りというわけよ」


 どうやら話の話題は、白隅サラのことのよう。そして通話相手は、彼女の以外のオンルッカー――なのか?


「あ、それと。実は黒木君も近々――ええ、他の人を探してはいるけど――ええ、そうよ。ああ見えて彼の代わりって、なかなか難しくって――ふふふ、皆の評判は良かったようね。とがってるわりに妙に不器用なところに、萌えた? ――ま、本人は一切そんな自覚なかったでしょうけど――ふふふふ」


 黒木俊太の名も出てはいるが――ともあれ二人については、ここではない別の場面で語られるべきだろう。

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