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【Onlooker】~サラが見たもの~
第12章 エピローグ
「そういえばさ」
「なんだ?」
「結構、伸びたよね――髪」
「ああ――まあ、そうだな」
黒木はそう言いながら、目元にかかり気味の前髪に触れる。
そうして触れた毛先は相変わらずの金髪ではあるけど、髪の生え際の数センチほどは黒くなっていて。
染め直すことなく放置された頭髪は長く伸び、最早ツンツンと逆立てる以前のスタイルは難解だということなのか。
今は自然なまま、黒木の頭髪がさらさらと風に靡いていた。
「もう、染めないの?」
「別に、そういうわけでもないけど」
「じゃあ染めて、また金髪のツンツン頭に?」
「あ?」
黒木はやや面倒そうにサラを見るが、すぐに思い直したように――。
「サラは――どっちがいいんだよ?」
と、訊いた。