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【Onlooker】~サラが見たもの~
第1章 見るだけの、お仕事?
だから、髪を伸ばしてみたり。今まで履かなかったミニスカートを履いてみたり。それまで頓着のなかった化粧にしても、それなりに気を使うようになった。
もちろん恋愛に繋がるような具体的な行動を起こしたりとか、それはまだできないけれど……。
ともかく、そんな恋愛レベル(?)で性風俗に関わることなんてできるわけがない、と思う。最もたとえ処女でなくとも、彼女がそれを選ぶことはあり得ないことなのだろう。
性的なサービスがないキャバクラの類であっても、それは同じなのだ。女の部分を武器にすること。そんなのが自分に向いてないことぐらい、十分に承知している。
だからこそ、ほんの一瞬でもそれを考慮してしまうほどに、今は切羽詰まっているということ。
なんとか早急に金を用立てできなければ、夏休みが明けたら路頭に迷うことになろう。
「……」
凭れていた椅子から身を起こすと、サラは無言のままパソコンのキーボードをカタカタと鳴らした。求人サイトから探すのではなく、少し趣向を変えようと試みる。
『高収入』『バイト』『夜間』『非風俗』『いかがわしくない』『誰にでもできる』『真面目な仕事』――等々。
思いついたそれらのワードを、幾度となく組み変えては検索をかけてみた。だが、何度トライしてみようとも、そんな都合の良い仕事が見つかるわけもなく。無駄なことを繰り返す自分自身に、ほとほと呆れるばかりだった。
――と、諦め半分で、もう一度だけ適当なワードで検索をかけた時である。
「ん――!」