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【Onlooker】~サラが見たもの~
第2章 ラブリーな、彼女?
どうして……?
その様子を不思議そうに見つめたサラは、しかし直後にその理由を知った。
「なんだよ……クソ!」
ヤマダは身体を起こすと、エリーを前に正座したような体勢を取っている。
そうしたまま激しく動かし続けているのは、自らの陰茎を握り締めた右手だった。だが、その激しい動きに反するように、ヤマダの陰茎は一向に大きくなろうとしていない……。
硬く猛らなければ、交わることはできない。そのくらいは、経験のないサラにだって理解の適うことであった。
「今夜で、最期の夜なんだよっ! 俺とエリーは! なのに……なんでなんだ!」
ヤマダの言葉が、徐々に悲痛な響きとなる。自らを叱咤するかのように、頻りに自身の勃起を促そうとしている。
その額には冷や汗が滲む。サラの目にも、ヤマダの焦りが見て取れた。だが、その後も一向に気配はなく。
やがて諦めたように、ヤマダは項垂れていた。
「……」
白々とした空気がその場を包み、居た堪れなさに拍車をかけた。それが部屋中を満たす前にと、サラは重い口を開く。
「あの……もしかして、私が見ているせいでは?」
しかし――
「そうじゃない。こんなこと、今までには一度だってなかった……」
「でも……」
「いいんだ。さっきも言ったろう。これは、君が気にすることじゃない」
「……」
そう言われるほどに、サラは自分の無力さを覚える。この状況を変えられないかと、ふとそんなことを思慮していた。