この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
【Onlooker】~サラが見たもの~
第2章 ラブリーな、彼女?

 が、そんなサラの想いをよそに、ヤマダは既に自らの心を折ろうとする。


「君には、酷く歪んだ世界(もの)を見せてしまったな。すまない……だが、こんな最期でも君に見てもらえてよかったと思うよ。ありがとう……」

「そんな……」


 シーンとした静けさだけに、包まれてしまった寝室では――。

 ベッド脇の弱いスタンドの光は――

 裸で項垂れる男と、

 両足をはしたなく開いた人形と、

 それを見守る一人だけ服を着た女の子との――

 その奇妙な光景を、あぶり出していた。


 このままじゃ、哀しいよ……だけど。


 サラは、ベッドの上で項垂れるだけのヤマダの横顔を見つめた。


「――?」


 その肩口が、カタカタと揺れていることに気づく。痩せた身体は、まるで凍てつきに堪えかねるように、次第に大きく震えていた。

 それを一心に見つめて、サラはその男のデリケートな内面を知ろうと、そう試みるのだ。


 エリーさんと、こんな形で別れるのが辛いの? きっと、それもあるけど。たぶん、それよりも――。


 微かななにかを察して、サラはそれをヤマダにぶつけた。


「ヤマダさんは、結婚して幸せになれますか?」

「な、なに?」

「エリーさんと同じように、彼女のことを愛せますか?」


 そう問われたヤマダの顔に、激しい動揺が滲んだ。


「バ、バカなことを言わないでくれ。如何に俺が変人であろうとも……エリーと生身の彼女とを、同じに考えるわけがない」


 興奮と怒りを顕に、そう語気を強めるヤマダ。

 その顔を、見つめて――


「本当にそれで、いいんですか?」


 サラは冷ややかな口調で、言うのだった。

/456ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ