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【Onlooker】~サラが見たもの~
第3章 イケナイ、男(ひと)?

「別にお前のっていってねーだろ。まあ、そうなんだけど」

「なんか、おかしいです。そもそも私だけ、職業とかじゃないし」

「いいんだよ。要はイメージの問題なんだろ」

「イメージって……?」

「特に初めての客が、どんなタイプの女に見て欲しいのか。まあ端的に言えば、選択するためのそれがラインナップってわけだ」

「それにしたって、言うに事欠いて処女って……人格否定されたみたい」


 サラはまだ、それに納得できない様子だ。


「じゃあ、今日のクライアントの男の人も、私のことを、その……わかった上で?」

「ああ、そうなんだろ」


 だから、あんな風に見せつけて楽しんでたんだ。

 そう考え改めて思い返すと、更に胸がムカムカがする想いである。

 すると――


「まあ、この手の仕事だ。中には下衆な客だっている。イチイチ気にしてたって、仕方ねーだろ?」

「ああ、黒木さん、いけないんだ。仮にも、お客さんのことをそんな風に言うなんてさ」

「だから――言えないお前の代わりに、言ってやってんだよ」

「……」


 あれ、もしかして慰めてくれてるの? まさかね……。

 サラは車を運転する黒木の横顔を、意外そうに見つめた。
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