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【Onlooker】~サラが見たもの~
第3章 イケナイ、男(ひと)?
サラはそれから、ふと気になったことを訊ねる。
「あと――女社長って、零子さんのことですよね? 普段から普通に、オンルッカーとしてやってるんですか?」
「初めは、社長一人で始めたことだからな。その当時からの馴染の客もいるんじゃねーのか。まあ、最近では指名を受けるのも、ごく稀なことだが……」
「当時からのって……じゃあ、あの人も?」
「あの人?」
「ほら、あの……イケメンさん」
先日事務所のエレベーターで遭遇した彼の、サラはまだ名前を知らない。
しかし、それが誰を指すのかは十分に通じたらしく、それだけに黒木はぴくんと細い眉を動かし見るからに不愉快そうな顔をした。
「あーあ、お前。やっぱ、アイツのこと――」
「ち、違います! そうじゃなくて――」
「じゃあ、なんだよ?」
そう問われたサラは、少し聞きにくそうに言う。
「あの人、零子さんと親しげというか……なんか、あるのかなって」
その様子をチラリと見やり、
「ま、なんか『ある』っていえば、そうなんじゃねーの」
「やっぱり! それって、どんな感じの?」
興味津々に座席を乗り出した、サラ。
それに対し我関せずと、黒木の方は欠伸交じりに――。
「それは……本人に聞いてみればぁ」