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愛されたくて ~わたしってイケナイ人妻ですか?~
第2章 結婚前
恋愛経験は多いほうだとは自分でも思う。
熱しやすく冷めやすい性格からか
3ヶ月と続いたことはなかった。
新しい恋に夢中になっては
前の男を捨てる。
そんなことを繰り返していたからか
友達からは
「そのうち後ろから刺されるんじゃないの?
夜道を歩くときは気をつけなさいよ(笑)」
なんて、からかわれたりもした。
実際、私が恋していたのは
恋そのものであって、恋愛相手ではなかったのかもしれない。
そんなとき、彼と出逢った。
背が高くて、笑顔が爽やかな好青年。
そんな印象だった。
私はすぐに恋に落ちた。
彼女はいないと言う彼には断る理由もなく
私達は付き合うことになった。
いつもなら、また3ヶ月くらいで
飽きていたかもしれないけれど
彼はまだ私が恋に夢中でいたときに
プロポーズしてくれた。
『若さ』を失っても
お客様を惹きつけられる自信は
私にはなかったから――
ここで惜しまれながら退職するのが花道なんだと
自然にそう思えた――。
そして出した結論。
『-Yes-』
付き合ってから
あまりにも早く決めた結婚。
それが正しかったかどうかは今でもわからない。
けれど、
そのときの私は……
未来の見えない仕事から逃げる
都合の良い手段がただ欲しかったんだ。