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愛されたくて ~わたしってイケナイ人妻ですか?~
第9章 京都の彼…再会
待ち合わせ場所まで
もう少しとゆうところで
私は電話を掛けた。
「もうちょっとやと思うんやけど
やっぱり道わからへんかったわ」
『なんか建物とか
目印になりそうなもんあるか?』
「んと…右に川があって
ちょっと向こうの左側に
工場みたいな高い建物がある」
『なんや!
めっちゃ近くにおるやんかーっ!』
子供のようにはしゃぐ彼。
そこからは彼の案内で車を走らせた。
暫くすると
彼の車らしきものが見えてくる。
ドキドキしながら運転していると
テールランプをちかちかさせて合図をしてきた。
『わかったか~っ?』
「うん。じゃ、切るね」
私は彼の車の後ろに
ゆっくり車を止めた。
彼に逢ったのは
一ヶ月以上も前になる。
なんだかちょっと照れくさい。
私は後部座席で眠る娘に
タオルケットを掛けてから車を降りた。
すると
彼はすぐそばまで来ていて
窓ガラス越しに娘の寝顔を見ながら言う。
『めっちゃ可愛いやんか~』
「えっ!?
そんな……照れるやん(笑)」
『おまえのことちゃうわっ』
彼との会話は
いつもこんな調子で冗談ばかり言い合っている。
もうずっと前から
彼のことを知っているような気がするくらい
彼との距離は縮まっているように想えた。