この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
鬼ヶ瀬塚村
第13章 人間道
紗江さんは黒々と太いアイラインを引いた目を細めていた。

『あいづどは口ぎぐな』

『………』

『だがらよぞもんはいめぇぐっで嫌いなんだ。ええが?典子に二度と近付ぐな?わがっだが?』

『…どうしてですか?』

『理由なんで、おめが知ったどこで関係ないっぺ。あたしが言っだ事、その小せぇ頭にただぎ込めッ!わがっだな?』

紗江さんはそれだけ言うと、静かに引き戸へと戻っていった。

猫じゃらしが揺れている…。

『ノブッ?』

不意に名前を呼ばれ顔を上げると真理子さんが立っていた。

なんだか何十年も会っていないような感覚がする。不安や恐怖や居場所のなさへの葛藤がみるみる消去されていく。

『真理子さん…』

『どうしたのよ?変な顔しちゃって』

『今まで何してたの?』

『二階でお母さんと話してた。ねぇ、ノブッ!ちょっと歩こうよ。お昼は食べたよね?』

くりくりした大きな目は僕を愛しそうに見上げる。
どうしてだろう?何故かもう…真理子さんが別のような人に感じた。

朝、背中を丸めて漫画を描いていた彼女ではないような気がした。

彼女がうんと遠くに感じた。

『さぁ、行こうよ』

真理子さんは僕の腕を引っ張ると歩き始めた。
/486ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ