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鬼ヶ瀬塚村
第34章 5人のマタギ

荒岩家に帰り、4人足りない居間で質素に遅い朝食をとった。
一郎さんの遺体は離れにある奴奴の牢屋に安置しているそうだ。
紗江さんは鎌研ぎ村に向けて行ってしまった。
もう二度と帰る事は無いだろう。
宗二さんは相変わらず楼閣だ。
念仏を唱えているらしい。
達弘さんは断食なので自室に籠っている様子だった。
居間には僕、真理子さん、邦子さん、吾郎さん、カヤさん、優子、和幸、そして典子ちゃんがちゃぶ台を囲っていた。
縁側の上に小さな布団が敷かれ、その上に寝かせられた和幸が典子ちゃんにキャッキャッと無邪気に笑う。
典子ちゃんは柔らかい豆腐の欠片をスプーンですくい、和幸の小さな唇へと世話しなく運んでいた。
『今日の聖狩りなんだけれど…』
不意に真理子さんがハシを置き、みんなに向かって言った。
『その…いっちゃんが不在だから5人で行う事にしたのよ』
『ほう、誰に決まったんじゃ』
吾郎さんが訊ねる。
まだ目元は赤く腫れていた。
『村で二番目の腕前の銀次郎と久米田のとこの潤ちゃん、それから悦男くんと木下のじぃちゃんと内木の久志くんよ』
『ああ…銀次郎か…なら大丈夫だな』
吾郎さんは力なく笑っていたが、ハシには全く手をつけていなかった。
一郎さんの遺体は離れにある奴奴の牢屋に安置しているそうだ。
紗江さんは鎌研ぎ村に向けて行ってしまった。
もう二度と帰る事は無いだろう。
宗二さんは相変わらず楼閣だ。
念仏を唱えているらしい。
達弘さんは断食なので自室に籠っている様子だった。
居間には僕、真理子さん、邦子さん、吾郎さん、カヤさん、優子、和幸、そして典子ちゃんがちゃぶ台を囲っていた。
縁側の上に小さな布団が敷かれ、その上に寝かせられた和幸が典子ちゃんにキャッキャッと無邪気に笑う。
典子ちゃんは柔らかい豆腐の欠片をスプーンですくい、和幸の小さな唇へと世話しなく運んでいた。
『今日の聖狩りなんだけれど…』
不意に真理子さんがハシを置き、みんなに向かって言った。
『その…いっちゃんが不在だから5人で行う事にしたのよ』
『ほう、誰に決まったんじゃ』
吾郎さんが訊ねる。
まだ目元は赤く腫れていた。
『村で二番目の腕前の銀次郎と久米田のとこの潤ちゃん、それから悦男くんと木下のじぃちゃんと内木の久志くんよ』
『ああ…銀次郎か…なら大丈夫だな』
吾郎さんは力なく笑っていたが、ハシには全く手をつけていなかった。

