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鬼ヶ瀬塚村
第1章 起承転結"起"
『ノブ、あんたに来て欲しいんだって…うちに…実家に…』

真理子さんはテラスから移動してソファでくつろぐ僕の横にボスッと座った。

彼女が買ったイタリア製のソファだ。
忙しく、ほとんどを事務所か自室で過ごす彼女がこれに座るのは本当に珍しい。

真理子さんが買ったはずなのに、今では僕の重さで同じ箇所が凹んでいる。
僕ばかりがここに残り、真理子さんのスペースであるはず箇所は今も買ったばかりのように弾力が固い。

『え?いいの?』
僕の問いに真理子さんは心底嫌そうに頷いた。

僕は一度も真理子さんの実家に行った事がない。
ねだったっていつも拒否されていた"ド田舎だから不便だし、おまけに家畜臭いし…恥ずかしいもん"と。

真理子さんから来るように言うという事は、彼女の母親は相当危ない状況のようだ。

『邦子伯母さんが…ノブも連れてきてお母さんに見せてやりなさいって…』

真理子さんがつり目で大きなくりくりした目を不安の色で染めて僕を見つめてきた。

気丈な真理子さんでもかなり参っているようだ。

『いいよ、行こう』

僕はまた真理子さんの目線をさりげなく無視して呟いた。

真理子さんには弟と年の離れた妹がいるのは以前から知っていた。

母親は女性にも関わらず、村の村長を勤めている。
代々女系が村長を継ぐ珍しい村で、真理子さんの母親も例外なく引き継いでいた。

父親は村の役場で事務をしているとの事。
なんとなく僕に似ていると昔真理子さんが話していた。

そして一家には弟のお嫁さんである妻紗江さんと間に生まれた和幸と言う赤ん坊がいるようだ。

そして今回倒れた母親弘子さんの姉、邦子さん。
障害があり、身体が不自由な人だと聞いた。
日のほとんどを座って過ごしているようだ。

そして母親弘子さん、邦子さんと親子程年の離れた弟、つまり真理子さんの叔父さんにあたる一郎さんが離れで暮らしている。

彼は村唯一の小学校の教師をしており、弘子さんとは25歳も、邦子さんとは27歳も年が離れていた。

そして更に真理子さんの祖父母にあたるカヤさんと吾郎さんも同居している。

僕が驚いたのは祖母のカヤさんの母、つまり…真理子さんの曾祖母にあたるクニさんなんと99歳もご健在で同居しているらしい。

家族3人で慎ましく育った僕には色とりどりな家族構成だ。
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