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第5章 幕間 2.

黒井家

「今……なに？なんだって？」

ギョロリと警部が目を剥いた。他の警官も呆気に取られる。

「オイ、その話は本当なのか？ちゃんと確認したんだろうな？」

「え、ええ。間違いないです。ちゃんと戸籍から何から確認しました」

「ううむ……そうすると」

警部はリビングをちらりと見る。いまだに夥しい血の匂いが立ち込める。鑑識が動き回る間から血が見える。

「あの血は黒井龍蛾が誰かを殺害したために流れた血ではないってことか？」

「ええ。『黒井龍蛾はすでに死亡』していますから。会社をクビになり、自殺したそうです。つまり、黒井は殺人犯でも、殺害された者でもないということです……」

「じゃあ誰が……誰を……」

警部は頭を抱えた。