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閉じ込められた部屋で夫は
第6章 本番
~友貴子side~
1.
天井から伸びた鎖に両手を拘束されたままベッドに座り込んでいた友貴子は、化け物の正体を見て驚く。
「黒井さんじゃなかったのね……」
「フフフ、ひさしぶりね」
化け物はマントを脱ぎ、醜悪なマスクを外していた。中から現れたのは意外な人物であり、友貴子にとって忘れ難い人物てもあった。
「もう一人紹介するわ。彼のことも思い出してほしいから」
突然、目の前の無機質な部屋のドアが開いた。
友貴子は、最初、ソレが何であるかわからなかった。
ソレは、暗い廊下から這いながら現れた。ペタン、ペタン。足音と表現するには余りにも粘着的な音。リノリウムの床に響く音と共に姿を現したのは、人型の上半身であった。
人型であって、人ではない。なぜなら、ぼんやりと見えたきた顔、それは明らかに生きた人間ではなかったから。
暗赤く変色した顔。カッと見開いた眼窩。そこに嵌め込まれた白く濁りきった眼球。這い寄る度に、粘っこい粘液にまみれた眼球が溢れおちそうになる。
「な、なによ……これ」
驚愕と恐怖で美しい顔をひきつらせる友貴子。
ふいに、ツンとした異臭が鼻を突く。いや、異臭というレベルではない。ネバネバと腐りきった死肉と膿を混ぜ込んだような悪臭。
耐え難き臭いに友貴子は嘔吐しそうになる。
1.
天井から伸びた鎖に両手を拘束されたままベッドに座り込んでいた友貴子は、化け物の正体を見て驚く。
「黒井さんじゃなかったのね……」
「フフフ、ひさしぶりね」
化け物はマントを脱ぎ、醜悪なマスクを外していた。中から現れたのは意外な人物であり、友貴子にとって忘れ難い人物てもあった。
「もう一人紹介するわ。彼のことも思い出してほしいから」
突然、目の前の無機質な部屋のドアが開いた。
友貴子は、最初、ソレが何であるかわからなかった。
ソレは、暗い廊下から這いながら現れた。ペタン、ペタン。足音と表現するには余りにも粘着的な音。リノリウムの床に響く音と共に姿を現したのは、人型の上半身であった。
人型であって、人ではない。なぜなら、ぼんやりと見えたきた顔、それは明らかに生きた人間ではなかったから。
暗赤く変色した顔。カッと見開いた眼窩。そこに嵌め込まれた白く濁りきった眼球。這い寄る度に、粘っこい粘液にまみれた眼球が溢れおちそうになる。
「な、なによ……これ」
驚愕と恐怖で美しい顔をひきつらせる友貴子。
ふいに、ツンとした異臭が鼻を突く。いや、異臭というレベルではない。ネバネバと腐りきった死肉と膿を混ぜ込んだような悪臭。
耐え難き臭いに友貴子は嘔吐しそうになる。