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私は女優よ!
第4章 釣った魚に餌をやらないから、こうなるのさ
三宅の新規事業は順調だった。
インターネットでショッピングなんて、今では当たり前の事。
ネットの世界で、店員などの人件費を削り、求められるものをユーザーに提供する事を、いち早く目をつけたのが幸いしたのだ。
時代も味方してくれて、三宅の会社はネットビジネスで成功の道を歩む。
30そこそこで、社長と呼ばれ、財を成すという事は、簡単ではない。
業界では、若き成功者と言われた三宅友和。
そんな彼にプロポーズされ、妻になる事も私の名誉となった。
美人社長夫人として、メディアに紹介されたり、業界人に囲まれ、華やかなセレブとして、私自身の名を広めてゆく事となった。
私の両親は、最初は三宅との結婚に反対だったが、私達夫婦が世間から脚光を浴びる毎に、「環は幸せ者だ。いいとこに嫁いだ」と、誇らしげに言うようになった。
こんな幸せがずっと続くと思った。
私は幸せなセレブ……のはずだった。
そう言われた時代が懐かしい。