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私は女優よ!
第4章 釣った魚に餌をやらないから、こうなるのさ



 自信に満ちていた三宅は、今回の失敗で影を落とした。

 若き成功者、ビジネス界の風雲児と呼ばれもてはやされた三宅だが、この転落により、取り巻き達も次第に寄り付かなくなっていった。

 借金を穴埋めする為に、働かざるを得なかった。

 成功者の転落は惨めだ。

 今まで三宅にペコペコしていた人間に、今度は頭を下げる側になった。
ネットビジネスでまた再起するには、それ相当の人脈や優れた才能を必要とされた。

 勿論、私だって、一応社会は知っている。
いい時ばかりではなく、失敗もつきものであり、それも仕方のない事だと頭では理解していた。

 一度贅沢を覚えてしまうと、見栄というものが体に染みついてしまう。
生活のランクを一気に下げるのは、悔しくもあり、敗者となった自分を、情けなく惨めな気持ちにもしていった。

 三宅は私以上の絶望だったに違いない。
何とか挽回しょうと、頼れる人間には頭を下げて回り、靴が擦り切れてしまうほど歩き回った。

 しかし、世の中も一旦堕ちてしまった人間を引き上げてくれるほどの情けや優しさもない。

 次第に荒れていく三宅をすぐ傍で見続け、捌け口となっていった。

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