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第4章 釣った魚に餌をやらないから、こうなるのさ

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　釣った魚に餌をやらないのは、その魚を狭い場所で囲い、都合良く飼い、鑑賞に飽きたり、面倒になったりすると、餌をあげることもしなくなる。

　私は小さな水槽の中で悶える金魚に過ぎない……。

　狡い男に飼われた金魚は、泳ぎ疲れるまでその世界から逃れられない。

　多分、水面に腹を浮かべて、生きていた水槽の中身を見下ろすように死んでゆく。

　人生というものは、こんなもんなんだと諦めの気持ちを抱えて……。

　でも、何処で奇跡を拾えるんじゃないかと僅かな希望は捨てない。

　それくらいの夢が欲しいと願った。