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私は女優よ!
第6章 見失う心。見えてくる現実
 

 弁護士先生はさ、環が後にAV界でモザイクの女王と言われたのは知ってた?」

 「モザイクの女王?」

 「顔を隠した分ギャラは減るけど、どんなプレイも熟す女優は重宝されるんだよ。
モザイクの女王と呼ばれるほど、環の仕事は増えていって人気も出たんだ。
ただ、環も昔は美人セレブとか言われてメディアにはちょこちょこ顔出していたからさ、覚えている奴は覚えてるもんなのよ。
だから、わざと上品な奥さんが汚されていくような設定もんやらされたりしてさ……
それでも、顔が見えない分、環は女優としてちゃんと演技をしていたよ。
顔が見えないから絶対バレないって思っていたのか、それとも、そこまでの危険を犯してまで環を駆り立ててしまったのは、あんな旦那でも愛していたからこそ自分を犠牲に出来たのか?
なんて考えるんだよ。
確かに精神を病んでいたみたいだから、境い目が分からなくなっていたのかもしれないけどさ…。
演じる事で救われたのかもなんて思うんだよね」

 「どうしてそう思うのですか?」

 「なりきって、自分を忘れるんだよ。
俺もそう。
仕事の時はナンパ男やれば、女を焦らして鞭で叩いたり、ロウソク垂らしたり、拘束して体の中にオモチャ突っ込んだり、レイプしたりさ……
出来ちゃうんだよ。
それが仕事だし、演技だから、何でもアリなんだよ。
変態や鬼畜を演じても、それが本当の俺じゃないから」
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