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私は女優よ!
第6章 見失う心。見えてくる現実
「あなたは何もしなかったわけではない。
我慢もしたし、三宅さんが立ち直るのも信じていた。
だけど、思うようにいかなかった。
あなたの落胆は痛いほど分かります。
留めていた境界を超えてしまったんですね」
「境界?
そうね。超えてはいけない境界だったわね。
人間じゃあなくなってしまう、殺人者としての域に私は入った。
だから、同情はいいんです。
罪は償います。
刑務所に何年か入ったところで消えません。
死刑になりたい。
私を終わらせて欲しい。
だから、弁護士さんも無駄な同情は辞めて下さい。
手を差し伸べて下さらなくて構いません。
殺人者として、法廷に立ち裁きを受ける覚悟です。
本心はスッとしたの」
「スッとした?」