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私は女優よ!
第7章 素と錯乱は紙一重
そう言って、三宅環は背筋を伸ばして顔を上げ、ニャっと不気味な笑みを浮かべて私を見た。
次の瞬間、首を下げ思い切り机に向かって自ら頭をぶつけた。
首を上下に動かし、【バンバンバンバンバンバン】と激しい音を立てながら………
「辞めなさい!辞めて!」
私は叫んだ。
「狂った頭の中のものを潰して何が悪い!
私の体をどうしょうと、お前に関係ないだろ!」
叫びながら、その行為を辞めない。
この異様な光景に直面し、恐怖の余り体が金縛りにあったように動けなくなる。
「辞めなさい!辞めて!」
と、結局叫ぶしか出来なかった。
それでも辞めない三宅環は、駆けつけた警察官に取り押さえらた。
顔を上げた三宅環の額はパックリと割れ、あの冷たく美しい顔は流血していた。
まるで真っ白な雪の上で踏みつぶされたトマトのように、グシャッとなった額を見て、私は口を手で覆い、悲鳴を上げてしまいそうな自分を抑えた。
そんな私を見て、三宅環はまたニヤリと笑い、「あんたも善人面が剥がれたら、私と同じ顔してるはずよ」
そう言って、「フフフ」と肩を震わせながら笑ったのだ。
その後は、警察官に両脇を抱えられ、手当の為別室に連れ出された。