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私は女優よ!
第8章 演じきってこそ、女優
「初公判前に会うのは反則なような気がするが、まぁ仕方ないね。
我慢出来ないのも人間の性。
会いたかったよ、一子(いちこ)」
私は男の甘い囁きを聞きながら、ベッドで身を任せた。
「反則は最初から犯しているじゃない。
雅紀さん」
参ったなと苦笑しながら、私の上に激しい愛撫を繰り返す雅紀。
いやらしい男の顔をしながらも、その顔にゾクゾクしてしまい、反応し続ける身体。
セックスをしている間は、愛を平等に与えられたと錯覚してしまう。
愛されていると、心も身体も満たされてゆき、生きる術を与えられているようにさえ思うのだ。
あなたの背中を抱き、私は愛される事を望んでしまう欲を抑えられない。
あれから、私の頭の片隅にはいつも三宅環が居た。
『あんたも善人ヅラが剥がれたら、私と同じ顔をしてるはずよ』
その言葉が耳に木霊し続ける……