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ヒロイン三国ファンタジー
第22章 22 呉の衰退
それからまた6年の歳月がたつと陸遜は呉の丞相となった。しかし君主である孫権の重臣による信頼が薄れた今、丞相であることは陸遜とって板挟みになることが必至であった。
尚香も彼を支え、呉を衰退させてはならぬと奔走するが、呂壱の事件よりもさらに深刻な皇太子争いに巻き込まれて行ってしまう。
この二宮事件によって陸遜を始め、多くの有能な人材を失った呉は衰退を免れないのであった。
孫権の長子であった孫登が死に、その弟の孫和を皇太子とするが、寵愛する夫人の息子、三男の孫覇をも孫和と同格に扱ったため、孫和対孫覇という二派閥ができてしまう。
陸遜はもちろん、長子である孫和を支持し、孫権に進言しようとするが孫覇派の重臣たちに阻まれ逆に追い込まれ左遷される。
忍耐力のある陸遜でもさすがにこの仕打ちには我慢できず、とうとう憂いその生涯を閉じることとなった。
尚香は彼の後を追おうと思ったが『呉の、三国の行く末を見届けて欲しい』と言う彼の遺言に従う。愛する人を二度までも失った尚香は孫権が息子の陸抗に、陸遜の事を謝罪し彼を取り立てたのを見てから、諸国を旅するため、呉から離れた。
「あなた。またここへ帰ってきます」
陸遜の墓に参り、まずはこれまでの戦の歴史を辿ろうと赤壁へ赴いた。陸抗に「見送りはいらぬ、個人的な感情は捨て身を立てよ」と言い残し長江を渡る。雄大な流れに、己の小ささを感じながら彼女はゆらゆら揺られ流れに身を任せた。
尚香も彼を支え、呉を衰退させてはならぬと奔走するが、呂壱の事件よりもさらに深刻な皇太子争いに巻き込まれて行ってしまう。
この二宮事件によって陸遜を始め、多くの有能な人材を失った呉は衰退を免れないのであった。
孫権の長子であった孫登が死に、その弟の孫和を皇太子とするが、寵愛する夫人の息子、三男の孫覇をも孫和と同格に扱ったため、孫和対孫覇という二派閥ができてしまう。
陸遜はもちろん、長子である孫和を支持し、孫権に進言しようとするが孫覇派の重臣たちに阻まれ逆に追い込まれ左遷される。
忍耐力のある陸遜でもさすがにこの仕打ちには我慢できず、とうとう憂いその生涯を閉じることとなった。
尚香は彼の後を追おうと思ったが『呉の、三国の行く末を見届けて欲しい』と言う彼の遺言に従う。愛する人を二度までも失った尚香は孫権が息子の陸抗に、陸遜の事を謝罪し彼を取り立てたのを見てから、諸国を旅するため、呉から離れた。
「あなた。またここへ帰ってきます」
陸遜の墓に参り、まずはこれまでの戦の歴史を辿ろうと赤壁へ赴いた。陸抗に「見送りはいらぬ、個人的な感情は捨て身を立てよ」と言い残し長江を渡る。雄大な流れに、己の小ささを感じながら彼女はゆらゆら揺られ流れに身を任せた。