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ヒロイン三国ファンタジー
第27章 27 晋の統一後 エピローグ
呉の最後の皇帝、孫晧は堂々とした様子で身体に縄を縛り付け、棺桶を用意し、降伏の儀を行い、建業に一番乗りをした晋の将軍、王濬を出迎える。
王濬は孫晧のあまりに堂々とし、麗しく華美な姿に思わずひれ伏してしまう。
生まれながらの王族である孫晧は臣下からなり上がったものとの格の違いを見せつける。どちらが降伏しているのかわからないと言った戸惑う様子を見せながら、王濬は彼の縄を解き、棺桶を処分させた。
その陰から孫尚香はこの呉の終焉を見届けるべく、唇を噛み、涙をこらえ、印綬が晋の国の者にわたるのを見続ける。
これから孫晧は一族と共に晋の都、洛陽へと連行されることになった。
孫晧は建業を離れる前に建初寺に訪れ、病身の康僧会を参りたいと王濬に頼んだ。王濬は快く承知し、彼の最後の願いであろうと十分な時間を与えた。
横たわる康僧会の側には孫尚香が佇み静かに見守っている。
「ああ陛下。いらしてくださったのですか」
起き上がろうとする康僧会に孫晧は、そっと制し「そのままでよい。無理をするな」と、再度横たわらせる。
「朕は洛陽に参る」
「そうですか。最後にお目にかかれて良かった。どうぞお体を労わってください」
思うことがいろいろあっただろうがすべてが終わった後、康僧会には何も言うべきことはなかった。
康僧会がすっと眠りについたので、尚香はそっと目配せし、孫晧を外へと促した。掃き清められ、こざっぱりとした庭を少し歩きながら、二人は明るく斬新な建築である建初寺を眺める。
王濬は孫晧のあまりに堂々とし、麗しく華美な姿に思わずひれ伏してしまう。
生まれながらの王族である孫晧は臣下からなり上がったものとの格の違いを見せつける。どちらが降伏しているのかわからないと言った戸惑う様子を見せながら、王濬は彼の縄を解き、棺桶を処分させた。
その陰から孫尚香はこの呉の終焉を見届けるべく、唇を噛み、涙をこらえ、印綬が晋の国の者にわたるのを見続ける。
これから孫晧は一族と共に晋の都、洛陽へと連行されることになった。
孫晧は建業を離れる前に建初寺に訪れ、病身の康僧会を参りたいと王濬に頼んだ。王濬は快く承知し、彼の最後の願いであろうと十分な時間を与えた。
横たわる康僧会の側には孫尚香が佇み静かに見守っている。
「ああ陛下。いらしてくださったのですか」
起き上がろうとする康僧会に孫晧は、そっと制し「そのままでよい。無理をするな」と、再度横たわらせる。
「朕は洛陽に参る」
「そうですか。最後にお目にかかれて良かった。どうぞお体を労わってください」
思うことがいろいろあっただろうがすべてが終わった後、康僧会には何も言うべきことはなかった。
康僧会がすっと眠りについたので、尚香はそっと目配せし、孫晧を外へと促した。掃き清められ、こざっぱりとした庭を少し歩きながら、二人は明るく斬新な建築である建初寺を眺める。