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Let’s eat
第2章 つまみ食い

「ただいま~」
疲れているせいか、帰宅を告げる声はいつにも増して低くなる。
「おかえり、ジローくん。ご飯もう少しでできるからね」
キッチンから顔を覗かせた同居人、裕也のエプロン姿にドキッとする。
毎日見ているはずなのに一向に慣れないのが不思議でしかたない。
いやいや、それだけ彼が可愛いのだから仕方ないのだ。
キッチンに入ると裕也が何かを揚げている。
「今日の晩御飯はなんですか?」
匂いでなんとなくわかったが、空腹感から気になって仕方なかった。
「君の好きな唐揚げだよ~」
「うわっ、うまそ」
「つまみ食いはダメだよ…って、言ってるはしから!」
スッと手を伸ばし、阻止しようとする裕也の手をすり抜けて見事に唐揚げをゲットして口に放り込んだ。が、
「あっづあぁっ!」
さっそくつまみ食いのバチが当たってしまった。
揚げたてだから当然口の中が大惨事だ。
「だから言ったのに!ほらお水」
「ずみまぜん」
冷たい水のお陰で少しは痛みが治まったが、上顎の薄皮は剥げたし舌もヒリヒリする。
「うわ…最悪」
「つまみ食いするからだよ。…そんなにひどいの?見せて」
「ん…」
口を開けると、裕也が指で顎を支えながら覗き込んできた。
そうされて気付いたが、口腔内を覗かれるのはちょっと恥ずかしい。
(見てわかるものなのか?)
上顎は赤くなってるかもしれないだろうが、舌は元からかなり赤いほうだし、自分なら見てもわからない自信がある。
疲れているせいか、帰宅を告げる声はいつにも増して低くなる。
「おかえり、ジローくん。ご飯もう少しでできるからね」
キッチンから顔を覗かせた同居人、裕也のエプロン姿にドキッとする。
毎日見ているはずなのに一向に慣れないのが不思議でしかたない。
いやいや、それだけ彼が可愛いのだから仕方ないのだ。
キッチンに入ると裕也が何かを揚げている。
「今日の晩御飯はなんですか?」
匂いでなんとなくわかったが、空腹感から気になって仕方なかった。
「君の好きな唐揚げだよ~」
「うわっ、うまそ」
「つまみ食いはダメだよ…って、言ってるはしから!」
スッと手を伸ばし、阻止しようとする裕也の手をすり抜けて見事に唐揚げをゲットして口に放り込んだ。が、
「あっづあぁっ!」
さっそくつまみ食いのバチが当たってしまった。
揚げたてだから当然口の中が大惨事だ。
「だから言ったのに!ほらお水」
「ずみまぜん」
冷たい水のお陰で少しは痛みが治まったが、上顎の薄皮は剥げたし舌もヒリヒリする。
「うわ…最悪」
「つまみ食いするからだよ。…そんなにひどいの?見せて」
「ん…」
口を開けると、裕也が指で顎を支えながら覗き込んできた。
そうされて気付いたが、口腔内を覗かれるのはちょっと恥ずかしい。
(見てわかるものなのか?)
上顎は赤くなってるかもしれないだろうが、舌は元からかなり赤いほうだし、自分なら見てもわからない自信がある。

