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Let’s eat
第2章 つまみ食い
「う~ん、見た目だけじゃわかんないな~」
(だよな~)

明日、最悪明後日まではこの痛みと付き合うハメになりそうだ。
せっかく晩御飯は好物の唐揚げなのに、この状態ではしっかり味わえない。
溜め息をつきそうな次郎をよそに、裕也はまだ口の中を覗いている。

「火傷したのここ?」
「ん!」

何の前置きもなく、つんと裕也の指が舌を突いてきた。
ピリピリッとした痛みもだが、口の中を触られるなんて思わないから驚いて声を上げてしまった。

「痛いか~。ここも?」
「んんぅっ!ひゅーひゃひゃん!」

更に舌を押すように撫でるから痛いし、変な声出て情けないわ涎が垂れそうになるわでパニック寸前だ。

「あっはっは。涎垂れちゃった」

とうとう口から溢れた唾液にカッと頬が熱くなった。
逃げられないように顎を掴んでいる裕也の手もきっと汚してしまっただろう。
顔を背けようとすろと、口に入れている指が増えて舌を掴んできた。

「じっとして…」

言いながらゆっくり舌を引っ張っている。
痛みのない舌先を優しく摘んだのは裕也の優しさだ。
舌を差し出すような格好をさせてなにをされるのか不安に思っていると裕也の顔が近付いてきて。

ちゅ…。

「っ!」

舌先に触れた柔らかい物が裕也の舌だと気付き、肩が勝手に跳ねた。
「ごめん、痛かった?でも我慢してね」
「……」

我慢してと言われたが、裕也の舌が自分の舌を撫でるたびに体が勝手に反応してしまう。
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