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人魚島
第2章 人魚島
そんな咲子の頭を撫で回しながら橘さんがニヤニヤした。
『止めろやッ』
咲子が橘さんから慌てて離れて橘さんの手を振りほどいた。
『相変わらず可愛げが無いなぁ、ホンマに中学のマドンナなんか?』
ニヤニヤしながら橘さんが焼酎を再びらっぱ呑みした。
酒臭くヤニ臭い。
『ハルキ行こや』
咲子が橘さんを突飛ばし僕の右手を掴み颯爽と軒先に飛び出した。
『あ、ちょっと』
僕は引き釣られ自転車の前に立たされた。
『あんな母ちゃん見せたなかったわ』
『え?』
咲子は唇を噛み締めながら下を向く。
足元には煙草の吸殻が散乱し、中には恐らく橘さんの赤丸であろう吸殻も落下していた。
『母ちゃんあんな女や無いねん、父ちゃんが漁に出た切りやけん、やからあんなふしだらな女になりやってん、母ちゃんは市内から嫁いで来たけん、ええ女やけん、浮気癖ありよるけん、仕方無いけん』
咲子が吸殻を蹴り上げスライドさせた。
『血の繋がって無い親子なの?』
『うん、11年前に父ちゃんと再婚したんや、やから母ちゃんはこのスナックマーメイドを構える事が出来てん』
スナックマーメイドの看板に蹴りを入れる咲子。
開け放たれた入り口から三咲さんが出てきて『また万引きすんなよ、小遣いやるわ、父ちゃんには秘密やぞ』と真顔で咲子に500円玉を手渡した。
『母ちゃん、あんな男とはよ別れや、後うちらに気遣いしてるんやったら父ちゃんとの関係見直して構わんけん、うちらはもう大人や生理かて来たんやから』
『まだ処女やんか、アホ』
『赤神様あるやんか』
『まだ先やろ?』
赤神様?
なんだろう?
小首を傾げると咲子が『うるさいな』と三咲さんから500円玉を引ったくり踵を返した。
『行こうハルキ』
ようやく僕の手を離し咲子が自転車のグリップを握り締め三咲さんを睨み付け『今日の事は父ちゃんには黙っとくけん』と呟いた。
僕は咲子に続いて魚沼家を目指した。
続いて住宅地がまばらに見えた来た。
一階建ての平屋が目立つ。
台風の通り道の広島県だ、沖縄県みたいに平屋が多いのだろう。
黒い立派な日本家屋が次第に見え始め牛舎や養豚場や養鶏場特有のすえた臭いがした。
牛がモーモー鳴り豚がバタバタし鶏が喚いている。
『中にみんなおるけん、紹介するわ』
『お邪魔します』
僕は門をくぐりながら誰も居無いのに会釈した。
『止めろやッ』
咲子が橘さんから慌てて離れて橘さんの手を振りほどいた。
『相変わらず可愛げが無いなぁ、ホンマに中学のマドンナなんか?』
ニヤニヤしながら橘さんが焼酎を再びらっぱ呑みした。
酒臭くヤニ臭い。
『ハルキ行こや』
咲子が橘さんを突飛ばし僕の右手を掴み颯爽と軒先に飛び出した。
『あ、ちょっと』
僕は引き釣られ自転車の前に立たされた。
『あんな母ちゃん見せたなかったわ』
『え?』
咲子は唇を噛み締めながら下を向く。
足元には煙草の吸殻が散乱し、中には恐らく橘さんの赤丸であろう吸殻も落下していた。
『母ちゃんあんな女や無いねん、父ちゃんが漁に出た切りやけん、やからあんなふしだらな女になりやってん、母ちゃんは市内から嫁いで来たけん、ええ女やけん、浮気癖ありよるけん、仕方無いけん』
咲子が吸殻を蹴り上げスライドさせた。
『血の繋がって無い親子なの?』
『うん、11年前に父ちゃんと再婚したんや、やから母ちゃんはこのスナックマーメイドを構える事が出来てん』
スナックマーメイドの看板に蹴りを入れる咲子。
開け放たれた入り口から三咲さんが出てきて『また万引きすんなよ、小遣いやるわ、父ちゃんには秘密やぞ』と真顔で咲子に500円玉を手渡した。
『母ちゃん、あんな男とはよ別れや、後うちらに気遣いしてるんやったら父ちゃんとの関係見直して構わんけん、うちらはもう大人や生理かて来たんやから』
『まだ処女やんか、アホ』
『赤神様あるやんか』
『まだ先やろ?』
赤神様?
なんだろう?
小首を傾げると咲子が『うるさいな』と三咲さんから500円玉を引ったくり踵を返した。
『行こうハルキ』
ようやく僕の手を離し咲子が自転車のグリップを握り締め三咲さんを睨み付け『今日の事は父ちゃんには黙っとくけん』と呟いた。
僕は咲子に続いて魚沼家を目指した。
続いて住宅地がまばらに見えた来た。
一階建ての平屋が目立つ。
台風の通り道の広島県だ、沖縄県みたいに平屋が多いのだろう。
黒い立派な日本家屋が次第に見え始め牛舎や養豚場や養鶏場特有のすえた臭いがした。
牛がモーモー鳴り豚がバタバタし鶏が喚いている。
『中にみんなおるけん、紹介するわ』
『お邪魔します』
僕は門をくぐりながら誰も居無いのに会釈した。