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人魚島
第4章 咲子の村案内
蓮さんが缶ビール三本両手にし冷蔵庫を足で閉めながら猫足の真っ赤なソファーに腰掛けた。
そして開口一番『孝は元気なん?』とエアコンを切り、窓を肘で押し開いた。
暗かった埃っぽい部屋に太陽光が射し込んだ。
部屋には猫が二匹丸まっていた。
『ヴィヴィとキキだ、ヴィヴィはメインクーン、キキはバーミーズって種類だ』
蓮さんがブラックデビルの箱を片手に一本取り出し、先端に火を付けた。
部屋に充満していた甘ったるい香りがブラックデビルだと初めて理解出来た。
『で?咲子のこれ?』
蓮さんが親指を咲子に向かって突き出した。
咲子が缶ビールを傾けながら『まだ違うよ』と顔を赤らめる。
『ふぅん、まぁ良いや、孝は元気しとんのか?』
『元気やで、専ら母ちゃんとイチャイチャしとる』
『三咲か、あんな雌何処が良いんやろか?オッパイとケツ馬鹿でかいだけやんか』
嫉妬しながら蓮さんが咥えていたブラックデビルを煙管に繋げる。
花魁よろしく煙管でブラックデビルを嗜む蓮さんが缶ビールをグビッとやる。
ようやく僕も缶ビールのプルをカシャッと開封した。
三人で潮風を感じながら缶ビールを呑んだ。
『腹減ったやろ?肉あるから肉じゃが作ったるわ、待ってなさい』
不意に蓮さんが立ち上がり台所に消えて行く。
蓮さんが居無くなり改めて部屋を見渡した。
ハート型の絨毯には猫の餌のペレットが並び、猫足のローテーブルには白い塩みたいな粉末と注射器と濁ったグラスが置いてあった。
『覚醒剤や』
咲子が小声で囁いた。
僕は生唾を飲んだ。
そしてグラスの横には血液らしき物が付着した剃刀が転がっていた。
『リストカットや』
更に咲子が小さく囁いた。
二人して震えた。
しばらくして『出来たよ』と蓮さんがローテーブルに肉じゃがと味噌汁と白米を並べた。
『あたしにはこれがあるから』
蓮さんが目の前でゆっくり左腕に注射器を射し込み震えた。
『ああ、やっぱりシナチク産のふざけたシャブは馴染まんなぁ、純和製のヤクザからウン万円で譲って貰うシャブの方が良く効くな』
『蓮は食べ無いの?』
『朝に鰯定食食べて拒食症で吐いたわ』
確かに蓮さんはガリガリだった。
多分45㎏程度しか無いと思われた。
『痩せ過ぎやで?ちょっと大丈夫なん?』
『平気平気、呉市内の精神科やら早坂先生んとこ通っとるから、平気や』
そして開口一番『孝は元気なん?』とエアコンを切り、窓を肘で押し開いた。
暗かった埃っぽい部屋に太陽光が射し込んだ。
部屋には猫が二匹丸まっていた。
『ヴィヴィとキキだ、ヴィヴィはメインクーン、キキはバーミーズって種類だ』
蓮さんがブラックデビルの箱を片手に一本取り出し、先端に火を付けた。
部屋に充満していた甘ったるい香りがブラックデビルだと初めて理解出来た。
『で?咲子のこれ?』
蓮さんが親指を咲子に向かって突き出した。
咲子が缶ビールを傾けながら『まだ違うよ』と顔を赤らめる。
『ふぅん、まぁ良いや、孝は元気しとんのか?』
『元気やで、専ら母ちゃんとイチャイチャしとる』
『三咲か、あんな雌何処が良いんやろか?オッパイとケツ馬鹿でかいだけやんか』
嫉妬しながら蓮さんが咥えていたブラックデビルを煙管に繋げる。
花魁よろしく煙管でブラックデビルを嗜む蓮さんが缶ビールをグビッとやる。
ようやく僕も缶ビールのプルをカシャッと開封した。
三人で潮風を感じながら缶ビールを呑んだ。
『腹減ったやろ?肉あるから肉じゃが作ったるわ、待ってなさい』
不意に蓮さんが立ち上がり台所に消えて行く。
蓮さんが居無くなり改めて部屋を見渡した。
ハート型の絨毯には猫の餌のペレットが並び、猫足のローテーブルには白い塩みたいな粉末と注射器と濁ったグラスが置いてあった。
『覚醒剤や』
咲子が小声で囁いた。
僕は生唾を飲んだ。
そしてグラスの横には血液らしき物が付着した剃刀が転がっていた。
『リストカットや』
更に咲子が小さく囁いた。
二人して震えた。
しばらくして『出来たよ』と蓮さんがローテーブルに肉じゃがと味噌汁と白米を並べた。
『あたしにはこれがあるから』
蓮さんが目の前でゆっくり左腕に注射器を射し込み震えた。
『ああ、やっぱりシナチク産のふざけたシャブは馴染まんなぁ、純和製のヤクザからウン万円で譲って貰うシャブの方が良く効くな』
『蓮は食べ無いの?』
『朝に鰯定食食べて拒食症で吐いたわ』
確かに蓮さんはガリガリだった。
多分45㎏程度しか無いと思われた。
『痩せ過ぎやで?ちょっと大丈夫なん?』
『平気平気、呉市内の精神科やら早坂先生んとこ通っとるから、平気や』