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人魚島
第8章 能力
別々に風呂に入ろうとすれば『一緒に入ろうよ』と堂々と湯船に浸かる広瀬さんが多少面倒だった。
『何食べる?』
『弁当す』
『ハァッ?女性が居るんだよ?洒落たランチとか誘わ無いかな、君は?』
『金無いす』
『クレジットカードあるんでしょ?VISAカード』
『あるけど限度額20万す、1日1万も使え無いっすよ』
湯船から出て頭を乾かしながら僕は『弁当食いますから、先輩はランチどうぞ行って来て下さい』と営業鞄からひしゃげて汗をかいた弁当箱片手にウェルカムドリンクの珈琲を呷った。
『篠山くん、みんなにバラすわよ』
『はぁ、まぁ、広瀬さんが恥かくだけじゃ無いすか?僕みたいなほとほと成績の悪い根暗な野郎とラブホテル入ったっつったら噂になりますよ?』
『構わ無いわよ、良いわ、広めてあげる』
Yシャツを着込み、黒いタイトなスカートのファスナーを閉めながら広瀬さんが僕を睨んだが、僕は無視して弁当を食った。
味気無い日の丸弁当だ。
オカズは昨日の晩飯だ。
焼き魚だった。
帰社すればザワザワする中坂本さんから『広瀬とエッチしたんだな?』と小突かれ『はい、すぐにヤラせてくれるヤリマンですよ』とパソコンを叩いて山の様な資料を片付ける。
スマートホンを見れば着信履歴には花子の着信履歴がズラッと並んでいて、仕方無く誰も居無い通路でヒソヒソ会話すれば『待ってたのにッ!』と怒鳴られる始末。
やられたな、そう思いながら『月末行くよ、給料日後だし、僕の19歳の誕生日だし』と宥めた。
『本当に?』花子がすかさず機嫌良くなり、胸を撫で下ろす僕に花子が追い討ちを掛けた。
『あたし、妊娠したみたいや』
『え?』
『ハルくんが当然父親やで?』
スマートホンを持つ手がワナワナ震え汗が滲み出た。
『今なんて?』
『だから赤ちゃん出来たけん、結婚しよ?』
『ま、待ってよ』
『なんでや?』
『だってまだ花子は17歳じゃ無いか?早いよ?堕胎手術代金なら僕が全額負担するから、まだ待ってよ』
『なんでや?仕事上手く行って無いって言うてたやん、こっちで漁師見習いしたらええねや』
僕が漁師?
冗談じゃ無いッ!
『ともかく今週中にこっち来て?』
『今週は仙台に出張だから無理だよ』
『じゃあいつなら来れるん?』
『だから今月末だよ30日広島に向かうから、頼むからキィキィ言わ無いでよ?』
『何食べる?』
『弁当す』
『ハァッ?女性が居るんだよ?洒落たランチとか誘わ無いかな、君は?』
『金無いす』
『クレジットカードあるんでしょ?VISAカード』
『あるけど限度額20万す、1日1万も使え無いっすよ』
湯船から出て頭を乾かしながら僕は『弁当食いますから、先輩はランチどうぞ行って来て下さい』と営業鞄からひしゃげて汗をかいた弁当箱片手にウェルカムドリンクの珈琲を呷った。
『篠山くん、みんなにバラすわよ』
『はぁ、まぁ、広瀬さんが恥かくだけじゃ無いすか?僕みたいなほとほと成績の悪い根暗な野郎とラブホテル入ったっつったら噂になりますよ?』
『構わ無いわよ、良いわ、広めてあげる』
Yシャツを着込み、黒いタイトなスカートのファスナーを閉めながら広瀬さんが僕を睨んだが、僕は無視して弁当を食った。
味気無い日の丸弁当だ。
オカズは昨日の晩飯だ。
焼き魚だった。
帰社すればザワザワする中坂本さんから『広瀬とエッチしたんだな?』と小突かれ『はい、すぐにヤラせてくれるヤリマンですよ』とパソコンを叩いて山の様な資料を片付ける。
スマートホンを見れば着信履歴には花子の着信履歴がズラッと並んでいて、仕方無く誰も居無い通路でヒソヒソ会話すれば『待ってたのにッ!』と怒鳴られる始末。
やられたな、そう思いながら『月末行くよ、給料日後だし、僕の19歳の誕生日だし』と宥めた。
『本当に?』花子がすかさず機嫌良くなり、胸を撫で下ろす僕に花子が追い討ちを掛けた。
『あたし、妊娠したみたいや』
『え?』
『ハルくんが当然父親やで?』
スマートホンを持つ手がワナワナ震え汗が滲み出た。
『今なんて?』
『だから赤ちゃん出来たけん、結婚しよ?』
『ま、待ってよ』
『なんでや?』
『だってまだ花子は17歳じゃ無いか?早いよ?堕胎手術代金なら僕が全額負担するから、まだ待ってよ』
『なんでや?仕事上手く行って無いって言うてたやん、こっちで漁師見習いしたらええねや』
僕が漁師?
冗談じゃ無いッ!
『ともかく今週中にこっち来て?』
『今週は仙台に出張だから無理だよ』
『じゃあいつなら来れるん?』
『だから今月末だよ30日広島に向かうから、頼むからキィキィ言わ無いでよ?』