この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
あなたの背中
第1章 国道沿いの
「 冷た………っ 」
バイクから降りヘルメットとグローブを外した彼は私の手を握って苦笑いした。
大きな瞳を私に向けたまま。
「 ずっと待たせるから…… 」
「 春香が来るの早すぎんだよ 」
「 だって……… 」
ムッと頬を膨らませ俯くと彼の暖かな手が私の髪を撫でた。
暗い空に街のネオンサインが美しく映える、12月の夜だった。
「 行こ 」
そう短い言葉を呟く。
行く先は言わずもがな決まっていた。国道沿いの綺麗なラブホテルだ。
そして私の顔を覗き込むと目元を緩ませ、クシャッと頭を撫でる。
その表情が、その手の優しさが ………
とてつもなく
痛くて
苦しくて
愛おしかったんだ …………ーー