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Leverage Effect〔レバレッジ イフェクト〕
第1章 狩猟 ─ 犯す─
掌の中でぬるぬると溢れる密を滴らせながら、澁谷の中心が解放の時を待ちわびていた。
でも、自分から求めて来ないうちは駄目だ。
西沢は意地悪く人差し指と親指で相手の根本をきつく締め付けて、その欲望をねじ伏せる。
唇の僅かな隙間から”うっ”っという、呻きが漏れた。
やがて、与えるだけの暴力的な唇づけは、互いに舌と舌を絡み合わせて奪い合うような濃厚なキスへと変わっていく。
潤んだ瞳は底なしの深い淵へ誘い込むようだ。
─こんな表情を他の奴にも見せるのだろうか。
そう考えると何故か嫉妬にも似た感情が湧きあがる。たとえそうだとしても、この刹那は身も心も俺だけのものでいろ。
俺のまえで身体を開いているときくらい、何も
かも忘れて自分を晒せばいい。
何時もと違う澁谷の姿が西沢の心に微妙な蔭を落とす。
─らしくない。
俺の知っているおまえは常に冷たい瞳をしたエリート。
要求された仕事を完璧にこなし、与えられる賞賛にも冷めた微笑みで応える。