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Leverage Effect〔レバレッジ イフェクト〕
第1章 狩猟 ─ 犯す─

こんな風に熱く応える澁谷を見たのは初めてだ。
もっと、もっと感じさせてやりたい。
目に見えない柵から奴を解き放ってやりたい。
西沢は自分の身勝手を承知で、相手を官能の波に巻き込む。
背が撓って紐が手首に食い込むのも構わず、犯すような唇づけを与え続けた。
互いの口許から溢れた唾液が、細い糸を引いて喉を伝う。苦悶に歪む澁谷の瞳は涙で濡れている。
それを見て西沢の胸がチクリと痛んだ。
瞬間、押さえつけていた手から力が抜けて、漸(ようや)く澁谷に満足のいく呼吸が許される。
肩を激しく上下させて、喘ぐように荒い息を繰り返す澁谷。
いつもの自信に満ちた澄んだ瞳は恍惚の色を浮かべ、ただ無言で解放を求めていた。
「言えよ…貫いてって……嵌(は)めてくれって……」
細い顎を引き上げて、潤んだ瞳を覗き込むと残酷な言葉を投げ付ける。
澁谷の肩が小刻みに震えているのがわかる。
相手をギリギリまで責め立てて、自ら官能の波に溺れるように仕向けた。
中心にあてがっていた手を外し、手首の拘束を解いてやる。
理性の柵から解きはなたれた澁谷が、恥もプライドも顧みず自ら快楽に堕ちていくさまを見るために──

