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ラブプレイ〜Hな二人の純愛ライフ〜
第30章 バイトの王子様

地味に動きっぱなしの世界はTV局のスタッフの仕事と似通ったものがある。

丸一日で結構板に付いたサービス業。玄関の扉が開く度に自然といらっしゃいませの声も出るようになっていた。

「あれ、どうして一緒? なんかイヤラシイな」

店内に顔を見せたカップルの客に店長はそんなことを言っていた。

「その顔つきの方がイヤラシイって…」

ニヤニヤした店長に対して客はそう厭きれた言葉を返している。笑いながら店長は口を開いていた。

「さっきマモル指名のお客さん三人帰したよ」

「三人?…なら後でメールする。じゃ、倉ちゃん奥に座ってて」

俺は動かしていたホウキを止めた。

マモル?──

その名前を耳にして違和感を感じながら顔を上げると、テレビの撮影をしていることを伝えて目配せする店長とその“マモル”らしき人物と目があった。

そしてその背後には──


「あ…きらさん…っ」

だて眼鏡の向こうに映るはまさしく俺の恋人だ。

マモル──

「……っ…」

“そいつマモルって言うんだ? そいつの一体何に揺れたわけ?”


“大人の余裕とたまに見せる可愛さに…”


「──…っ!…」
こいつかマモルって…っ


こそこそ身を縮めて奴の背に隠れようとする晶さんと、俺の晶さんをたぶらかすその危ない売れっ子スタイリストの男を俺は交互に見開いた目で見つめた。

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