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ラブプレイ〜Hな二人の純愛ライフ〜
第30章 バイトの王子様

「ねえ、晶さん…」

様子を窺いながら、なんだか泣けてくる。
そんな俺に晶さんは布団の中からくぐもった声で叫んだ。

「行きたいなら行けばっ!?」

「───…」

強く出れない俺に返ってきたのは相も変わらず冷たい言葉だ。

手離したくないって何度、口にしても晶さんはわかってくれない。

「……浮気なんかしたら俺、終りじゃん…」

「………」

「晶さんに捨てられて終りじゃん……」

「……っ…」

「晶さんはそれを望ん…っ!?──…痛っ…」

言いかけた途中で顔を紙袋で思いきりぶたれて目を見開いた──

「すげえ痛い…っ」

額を庇い、思わず気が怯んでベッドから飛び退く。

紙袋の角ってある意味凶器ですけどっ!?

起き上がった晶さんは唖然とした俺に赤い目を向けていた。


「行きたいなら行って! 夏希ちゃんの為にもう努力なんて二度としないっ…」

「なっ!?」

晶さんは言いっぱなしで逃げるようにまた布団に身を隠す。

晶さんのその罵倒した台詞に俺は怒りが沸き上がった。

「そういうことはっ…一度でも努力してから言いなさいっ!──」

「したもんっ!」

「いつっ!? どこで!? 何時何分何秒にしたっ!? あっ!?」

「うるさい!」

くそっ…

しがみつくようにくるまった布団を引き剥がそうにも中々晶さんはしぶとく食い下がる。

怒り任せに俺は思いきり渾身の力で布団を奪って遠くに放り投げた。

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