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ラブプレイ〜Hな二人の純愛ライフ〜
第35章 予測不能のシナリオ


「え……」

「…もう…いいや…」

「ちょ…何言ってんの…」

理由もなく軽く笑いながら俺の顔が勝手に牽きつっていく──

急な不安が押し寄せて、妙に力の入っていた晶さんの肩をなだめようと思って腕を伸ばしたら、今度はその手を思いきり払われた。


「あき……っ…!?──」


あまりにも強い力に遮られ、唖然として見つめ返す。

目の前に立つそんな晶さんの前髪からは、小ぶりながらも通った鼻筋に水滴が滴り落ちていった──


睨むような表情。

晶さんの強張った頬。

そして濡れた姿を前にして、少しずつ自分のした行いに冷や汗が湧いてくる。

紙コップの水は大した量ではなかった筈だ──

それを証拠にびしょ濡れって言うほどでもなくて、少量の水は髪の表面を弾かれるように流れ落ちた。

ただ──

地肌に流れたであろう雫が晶さんのこめかみを伝い、真っ直ぐに睨み返してくる晶さんの頬を今頃濡らしていく。

「あ……っ…」

ヤバいっ…

そう思ってめげずにまた手を伸ばして声を掛けた俺に晶さんは背を向けた。

「もういい。着いて来ないで…」

「……っ…」

冷たく閉まったドアの音に身動きが出来ない。

伸ばした手の行き場がなくてそのまま空を摘む仕草を指先が何度か繰り返す。

「ヤバ…っ…」

「かもな……」

その場に一気にしゃがみ込んで頭を抱えた俺の頭上に、ため息を混じえた楠木さんの言葉が岩石の様にずっしりと重くのし掛かった……。

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