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ラブプレイ〜Hな二人の純愛ライフ〜
第35章 予測不能のシナリオ


「舞花も──…二人とも…撮影始まったばかりで顔に傷でもできたら周りに迷惑かかるだろ?」

夏希ちゃんは静かにそう口にする。そんな夏希ちゃんの言葉に舞花は目尻を拭いながらも小さな声で謝っていた。

二人を見つめ、あたしは今だ目を見開いたままだ──

あたしに背を向けた夏希ちゃんは涙を拭く舞花にタオルを差し出している。

そんな夏希ちゃんに対して色んな疑念が次から次に湧いてくる。

「……──」


ねえどうして……

…夏希ちゃん……

濡れたのはあたしのほうだよ…


「……っ…」

二人を茫然と見つめていた顔が急に歪む。

あたしはそれを唇を結んで我慢した。


何に置いても夏希ちゃんにとってはあたしが一番だったはずで

あたしから離れたら死んじゃうくらいあたしが一番だったはずで──


その夏希ちゃんがあたしに背を向けたまま舞花だけを気に掛けている。

舞花の肩に手を置いて、舞花の様子を窺うように覗き込む。

そんな夏希ちゃんはやっとあたしの方を振り向いた──


「晶さん……少しは冷めた?」

「………」

「晶さん?」

「……っ…」

「あき…」

「さめた──…」

そう口にしたあたしに夏希ちゃんは少しホッとした表情を覗かせた。

「…よかった。じゃあ皆に謝っ…」

「覚めたっ…」

「──……」

強い口調に今度は夏希ちゃんが目を見開いていた。
驚いた表情になんだかあたしの方が笑っちゃいそう。

「はは、何かもうすっかり覚めちゃった」

「………」

「ありがとう夏希ちゃん。今のですっきり目が覚めたから──」

空々しくそう口にすると、皮肉に歪んだあたしの顔を見つめ、夏希ちゃんは安堵の笑みだった表情を少し固めた。

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