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ラブプレイ〜Hな二人の純愛ライフ〜
第36章 想い違い

身を乗り出した高田さんに、マスターよりもママが先に切り出していた。

「ねえ高田ちゃん!男って年月経つと付き合い始めの頃より気を使わなくなるわよねっ?」

「………」

唐突な質問に高田さんは眼を見開く。

「そうでしょっ?」

重ねて追及したママを前にして、高田さんは口に手を持っていった。

明らかに困惑している様子が見て取れる。

「そんなことないよな?、な?」

「………」

控え目に尋ねたマスターにチラリと目を向けると、高田さんは迷いながら口にした……。

「俺は……変わったつもりはないけど……」

「ないけど?」

「別れた妻には“貴方って変わったわ……”って言われた……」

小さな声になっていく高田さんにマスターも目を見開いた。

「ほらあっ!ほらほらほらほらっ!!やっぱり言う通りじゃないっ」

勝ち誇ったママが大騒ぎする。

頼みの綱であった高田さんまでもがママに畳み込まれていく。

巻き返しの出来ない情況にマスターは苦虫を噛み潰したような顔を見せていた。

口ではどうも女に勝てない。

そんな中、またドアがカランと鳴る──

「準備中の札あったけど……もちろんやるよね?あたしが来たんだから?」

こちらが返事をする前にずかずかと店に入ってくる。
強敵が現れたと覚悟するマスター。
そして強い味方の参上にママは尚更勝ち誇る。

当然のようにママは高田さんにした同じ質問をカウンターに座った春子姉に繰り出した。

「ねえ春ちゃん!男って長年付き合うと最初の頃より気を使わなくなるわよね」

「ママ……長年連れの居たことのないあたしにその質問は酷だと思わない?」

「………」

尋ねたママの口から「あ……」と、戸惑う声が漏れていた……。

ヒートアップしていた熱気が瞬く間に冷えていく──

最強の味方である筈の春子姉のこの言葉に、現場はとても静かになっていた……。

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