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ラブプレイ〜Hな二人の純愛ライフ〜
第38章 二人の道標

バリスタの研修なら日本でだって学べるけど、ようは気持ちの問題だ。

これだけ身の回りがガラッと変わるとがむしゃらにならざるを得ない……。

日本語通訳が付き添っての授業だから、一人だけ聞き逃すなんてことはそう出来ないわけで。

だからただ、珈琲豆を入れる作業だけでも緊張が走る。

見慣れない器具の扱いなんて尚更だ。

でもその緊張感がいい刺激になっているのは確かだった。

これで夢にどんどん近付いていってる気がする。

──て、まだ“気”がするだけなんだけど。。。


自分で言い訳しながらカップを両手で包み、また一口珈琲を飲む。

資格を取って戻ったら、暫くはマスターが厨房の仕事のみで珈琲を全部担当させるって言ってくれた。

喫茶店の要である珈琲を任せてくれる。それはけっこう責任重大な役割であって。。。

何にしても学んだ事をしっかり身に付けるには“ひたすら実践を繰り返す”それだけだ。

ノートに図解式で書いた珈琲の入れ方の手順を眺めると、ふと前に置いていた携帯電話に視線が止まった。

それを手にして開くと着信歴や受信歴をつい確かめる。

いったい何を期待しているんだろう──

自分自身でそう思った。

二人で始めるためにと考えて……

迎えた結果がこれなんだ……。


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