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ラブプレイ〜Hな二人の純愛ライフ〜
第38章 二人の道標

◇◇◇
「では皆さん準備は出来ましたか?」
大きな声がフロアに響いた。その確認に皆が返事で応えている。
窓から見える青々とした芝生。白い校舎にある教室ではとても香ばしい薫りが広がっていた。
「一度冷水を注いだら、十分に水分を馴染ませてから豆をしっかり混ぜてください」
言われた通り、冷やされた水を細かく挽かれた珈琲豆にゆっくりと注ぐ。
ドリップでも大事な“蒸らし”作業と同じだ。
豆から味を抽出させる為にムラなく水分を含ませる。
本日は水出し珈琲の入れ方を学んでいる。
日本を出国して一週間。
あたしは今、オーストラリアのライセンススクールでバリスタの研修を受けていた。
着いた初日から珈琲豆の収穫作業や焙煎を経験したり、一週間なんてほんとにあっという間だ。
目新しい景色と同様に、すべてがとても新鮮。
教室に飾ってある沢山の珈琲器具を写真で写し、授業を終えてスクールの寮にあたしは戻る。
今日、学んだ事を復習してノートに解りやすく纏めると、寮に備え付けの無料のドリップ珈琲をカップに注ぎ一息ついた。

