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ラブプレイ〜Hな二人の純愛ライフ〜
第38章 二人の道標

「…うっ…ッ──……はあっ…」
そろそろ限界なのかも知れない──
胃が受け付けきれずにそのほとんどの内容物を押し返す。
仕事が終わった足で楠木さんに食事に連れて行かれ、帰宅した早々トイレに駆け込むと腹に詰め込んだ全てを一気に吐き出していた。
やっぱり限界だ──
もう……
平気な役も演じきれない……
「──……なんでこうなるんだよ…っ…」
ぐったりと便器にもたれトイレの床にへたり込んだ瞬間、我慢の箍が外れて嗚咽が漏れた。
晶さんと高槻が一緒に居たあの日──
もう話をすることも追及することも出来なくて、背を向けるだけが精一杯だった。
晶さんの口から聞かされる別れの言葉を想像したら──
自分から逃げるしかなかった……
捨てられる前に捨てる男をしっかり演じきった筈だったのに……
演じれているつもりでいたのに──
やっぱりこれだ──
あれから何度か社長の家に足を運んだ。
俺から離れていく気でいるならちょっとだけでも考え直してくれないか。
そんな希望をもって暫くしてから晶さんに逢いにいったのに──
マンションには晶さんも晶さんの靴も見当たらず愕然とした。

