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ラブプレイ〜Hな二人の純愛ライフ〜
第38章 二人の道標

あたしの指を握ったまま、向こう側を向く夏希ちゃんの横顔が微かに赤い。
ああ……
あたしはこの顔を知っている──
好きだって真っ直ぐに想いを告げながらも
一人で勝手に照れまくる。
あの時の
とても可愛い
愛しい表情(かお)だ──
あたしは腰を屈め、指を絡めたまま点滴の針が刺された夏希ちゃんの腕にそっと唇を押し当てていた──
その感触に驚いたのかびくりと夏希ちゃんの腕が動く。
夏希ちゃんはゆっくりとあたしの方へ顔を向けた……。
驚いた表情の夏希ちゃんの唇が何かを言いたそうに微かに開く。
目は口ほどに物をいう──
その言葉の通り
しだいに夏希ちゃんの瞳が熱を持って揺れていた。
あたしの影が上から重なる。
夏希ちゃんはそんなあたしを見つめるとゆっくりと瞼を閉じていく。
軽く開く薄くて柔らかい夏希ちゃんの綺麗な唇。
あたしはそっと食むように久し振りにその柔らかさを味わっていた。
「……っ…」
濡れた水音の後に甘いため息が夏希ちゃんの唇から零れる──
附せた瞳を開くと夏希ちゃんは切ない表情を浮かべ目を細めた。

