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ラブプレイ〜Hな二人の純愛ライフ〜
第39章 ロングロードへの扉

研修は中途半端に終えたけど、マスター達は約束通り珈琲全般をあたしに任せてくれている。
圭子さんはいつもホットカフェオレを頼む。
疲れた時にここのカフェオレを飲むととても癒されるのだとか。
湯煎で温めたマグカップにミルクたっぷりのカフェオレを用意すると、あたしはそれを圭子さんの席まで運んだ。
「珈琲習うためだけじゃなくても一度海外に行ってみるだけで意味はあるからね」
ママとお喋りしていた圭子さんは、カフェオレを持ってきたあたしに急にそんな言葉を振った。
あたしは頷き返す。
確かに意味はあったと思う。知らない世界を観るってやっぱり大なり小なりの刺激を受けるし、不思議と自分自身のスケールが大きくなった気さえしてくる。
「豆の収穫とか、こっちでできないことは初日で経験できたので」
答えたあたしに圭子さんは笑顔で黙って頷いていた。
「いいなあー…あたしも海外にいきたーい……」
ママは急にあたしと圭子さんの会話の間に割り込むと目線をマスターに向ける。
何気におねだりをしているようだ。
マスターはそんなママと目を合わせないように厨房に身を引っ込めていた。

