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あなたがすきでたまらない
第20章 合縁奇縁
「俺・・・ユキさん愛してたんですよ?」

「・・・うん?」

「で?でもね・・・今は楓が俺の一番です」

「うん・・・」

お互いの煙草を吸う吐息が聞こえて信の言葉を待った

「でね?先輩の事は大事で尊敬してますよ」

「うん」

「人の気持ちって・・・欲張りで・・・限度が無いですよね・・・」

「う・・・はぁ?」

うっかり、うん。って言いそうになったわ
何?俺?
今から信に説教されんの?

「俺・・・言いましたよね?言うたやん。いや・・・言いましたやん」

信がこうやって大阪弁なのは・・・
何時以来だったけな?
妙に落ち着くのは信を親友と認めてるからだろうか?

大阪弁の敬語に笑けるけど懐かしい

ん?もしかしてまだ、寝てる最中か、酔ってる?



「先輩が何であれ・・・このはちゃんをどうしたいか・・・それが世間一般に許されへん事であったとしても・・・俺は・・・先輩の味方ですって・・・」

「信?」

「先輩はね?俺の・・・ヒーローやねん。誰がなんと言おうと・・・」

「信?お前・・・寝ぼけて・・・」

「寝てへんし!!」

「じゃあ、酔ってる?ごめ・・・」

「酔ってへんし!!ち・・・ちょっと・・・眠たいだけ・・・なのは嘘で・・・」

「ほんまやろが」

「だぁって・・・先輩からの電話・・・絶対でるって・・・先輩からの連絡は・・・俺にとっては・・・ヒーローからの連絡ですもん・・・」

(寝息が聞こえる)

それでいい
夢であって欲しい
俺の弱音


「俺は何があっても先輩の味方やし?先輩がなにかあれば飛んで行くし?」

「うん」

お?ちょっと、蘇った?
必死で眠気と闘う信が目に浮かぶ
それとも酔ってる?

「・・・ユキさんの事、大好きでしたけどねぇ・・・今も楓の事、大好きですけどねぇ・・・先輩は別格で・・・憧れで・・・俺の中の・・・ヒーロー・・・」

「・・・ありがと。おやすみ。」



寝落ちした信との通話を切って・・・
吸ってた煙草の火を消した

懐かしい会話に心が揺れる

俺は俺でいいんだと・・・

そう思って・・・

また・・・
煙草に火をつけた

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