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第1章 性欲に翻弄される少女

「はあ、こんな清純そうな子がこんなふうになるんですねぇ」
「こんな作品現実世界じゃ作れないからな」
「まあ、そうですね」
「シミュレーター世界万々歳だ」

　若い男は今度は自分で好みの少女を探してみようかと考える。

「しかし、あれですね」
「ん？」

　男は煙草に火を付けながら振り返る。声をかけた相手はまだモニターに視線を釘付けにしたままだ。

「この子達は自分がシミュレーターで作られた存在だってこと知らないわけですよね」
「そりゃそうだ。気付くはずもないよ」
「ということはですよ」
「何だよ」
「僕達のいるこの世界も、もっとすごい世界が作ったシミュレーターの世界だっていう可能性もあるわけですよね」

　若い男は美憂の痴態を見ながらついでのような口調で何気なくそう言った。

　言われて男は初めてその可能性に気付いたように茫然と若い男を見つめた。

　何でこいつ、急にこんなことを言うんだ…？

　もしかしてこいつ、あの美憂って子みたいに操られて…

　ぽろり。煙草の灰が床に落ちた。