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第3章 夫への愛を失くした女

　性行為を活力の源にしていた篤志はみるみる衰えていった。
　研究者達が気付いたのは分析したデータをもとに改めて篤志を観察しようとした時だった。

　その間およそ半年ほど。

　篤志にとっては絶望的な出来事で妻の恵子にとっても大きな問題だった。

　しかし夫婦はこの困難を乗り越えた。そして今まで以上の強い愛で結ばれた。

　研究者達は篤志の性機能を元に戻した。
　
　突然の回復に篤志は言葉も出ないほどに喜び、その夜二人は激しく交わった。

　その夜こそ今までにないくらいに激しい行為が行われたが、その後篤志は落ち着いた性行為を好むようになった。勃起出来ない間に経験した静かな交わりによって得た心の満足こそをもっとも重要視するようになったからだ。

　交わうだけの行為に「愛し合う」という要素が足され、恵子も深い快感の中に倖せを見つけることが出来るようになった。

　二人はその後、より深く相手を愛し相手の愛を感じ倖せな日々を過ごした。
　子供にも恵まれ誰もがうらやむような夫婦となり、いつも笑顔で温かい家庭を築いていった。