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第1章 物わかりの良い夫

２度目の撮影から二週間後、
都合をつけて浩次君に電話をすると
むしろ会いたいとの事だった。

お宅にお邪魔して話をすると
彼は妻が私の了承を得ている物と
思っていたそうだ。

「申し訳ないです。
ご主人がお望みでしたら
もう撮影はしません」と
言ってくれた。

アルバムは３部構成である。

その２部まで撮り終えた。

ここで終わりだと如何にも
不自然だ。

作品に賭ける妻の情熱を思えば
最後までやらせてやりたい。

それにこの事に関わった人たちの
想いも潰してしまう事になる。