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第1章 物わかりの良い夫

不妊治療は続けてきたが
奥さんはもう既に４５歳。

殆ど諦めかけていたところで妻に出会い
最後のチャンスを願い出たのであった。

初めにこの申し出を聞いた時、
流石の私もＯＫできないと思った。

妻もそうだった。

しかし、奥さんに会って考えが変わった。

申し出は断るつもりでいたが
奥さんに泣き付かれた。

１度で良いから挑戦させて欲しいと。

何度も何度も熱心に。

春川家には跡を継ぐべき血縁が
いないと言う事情があった。